ウサギのようなボンボン状の短い尾が特徴的なジャパニーズ・ボブテイル。日本ではよく見かける短毛・短尾の猫だが、欧米ではボブテイルの猫はめずらしく、アメリカに渡って「ジャパニーズ・ボブテイル」として固定され、人気猫種になった。
アメリカに渡ったのは1968年のこと。日本に15年間住み、その間、ボブテイルの日本猫を飼い続けていたアメリカ人のジュディ・クロフォード夫人が、ジョージア州に住む友人のエリザベス・フレレット夫人に、1対のボブテイルを送ったのが最初だった。翌年には子猫が生まれている。
その後、帰国したクロフォード夫人が中心になり、ボブテイルの日本猫の繁殖が進められ、70年にはインターナショナル・ジャパニーズ・ボブテイル愛好会が設立された。
ボブテイルは日本のほか、中国や韓国など極東地域ではよく見かけられるが、もともとは中国で突然変異によって発生したものと考えられている。尾は、実は7~10センチほどの長さがあるのだが、内側に巻き込まれているためボンボンのようにしか見えないのだ。
ボブテイルの遺伝子は劣性で、両親ともボブテイルならボブテイルの子供が産まれるが、どちらかが普通の尾をしているとボブテイルは産まれない。また、劣性遺伝子とはいえ、この遺伝子のためにほかの部分に異常が生じるようなことはない。
アメリカで人気の理由は、もうひとつ、その顔立ちにある。ほかのオリエンタル・タイプの猫とは明らかに違う、日本猫独特の表情が「より東洋的」と好まれている。
毛は、白地に赤と黒の斑がある三毛(遺伝的にほとんどが雌)が「東洋的」ということで人気が高い。ほかに白地に赤や、白地に黒の猫も人気。毛色はポインテッドカ ラーとアグーティタビー以外はすべて認められている。
ジャパニーズ・ボブテイルは性格がよく、頭もよい猫で、ペットとして最適。人なつっこく、飼い主の言うことをよく聞く。甘え声など鳴き声のバリエーションも豊富で、感情表現も上手。環境の変化にも順応しやすく、非常に飼いやすい猫と言える。
性格のよさは折り紙付き。子供の遊び友達としても理想的。猫同士の絆も深く、母猫は子猫がかなり大きくなっても世話を焼く。グループ行動を好むものも多く、新しい猫が入ってきてもすぐに仲良くなる。