古くからヨーロッパの各地に存在したイヌで、その原産国については謎が多い。
400年以上前からいたと考えられ、ドイツ、またはフランスで発生したという説があるが、その論争の決着はいまだについていない。しかし長い間、フランスの国犬としてみなされ、サーカスの曲芸犬、または鴨を狩る際の“回収犬”として飼われていた。
ひと口にプードルといっても3種類ある。もともと回収犬だった大型のプードルは「スタンダード」と呼ばれている。これに対して中型の「ミニチュア」が16世紀に作出され、さらに時代が下って18世紀に小型の「トイ」が誕生した。
プードル独特のヘアスタイルは回収犬であったころの名残で、同じく回収犬であるポルトギーズ・ウォーター・ドッグのカットを真似て、あのようになった。
胸の部分は水の中でも体温を保つことができるように厚い被毛を残し、その他の部分は動きやすいように刈り込む。もともと機能性を追求したスタイルだったが、これが18世紀にフランスの上流貴婦人たちの間で大ブームとなり、ファッションとしてもてはやされることに。その後、人気は世界中に広まり、回収犬から家庭犬、愛玩犬へと立場を変えて親しまれるようになった。
特徴は何といってもこの刈り込んだヘアスタイルだ。被毛の色数も多く、巻き毛、縮れ毛、網状毛が密生している。また、ピョンピョン跳ねるように歩く仕草にも特徴がある。
サイズが違っても性格は同じ。大変利口で飼い主の言うこと良く聞き、また人なつっこく親しみやすい。聡明で忠実、しつけやすく、とても飼いやすい。芸達者な一面もある。
サイズによって、食事の量は異なる。下痢を起こしやすい体質なので、食事の内容には注意が必要だ。柔らかくしたドライフードに、ゆでた肉などを加え、時間、量ともに規則正しく与えるようにする。
利口なイヌなので、飼い主が気まぐれを起こして他の食べ物を与えたりすると、いつまでもその食べ物の味を覚えていて、いつもの食事を食べなくなることがあるので、注意が必要だ。
ニオイもなく毛も散らないので、室内犬としては比較的飼いやすい。
普段は3日に1回ぐらいの割合でコームで毛をとかし、毛玉ができないようにしておけば大丈夫。
ツメが伸びやすいので、定期的に美容院でツメ切りをする必要がある。
刈り込みにはいろいろなスタイルがあるので、美容師と相談したい。
垂れ耳のため、耳の中が蒸れやすい。できれば耳の中の毛を抜き、綿棒とイヤー・ローションでいつも清潔にしておきたい
サイズによって運動量は異なるが、室内で元気良く動き回っているようなら、朝夕に軽い外歩きで十分。ただし元気いっぱいに動回るので、必ずリードを着用し、交通事故に気をつける。