ダックスフンドとはドイツ語で「アナグマ犬」を意味する。文字どおりアナグマを狩猟するためのイヌで、15~17世紀に書かれたヨーロッパの本には、しばしばアナグマを追う長い胴体、短い足、獣猟犬特有の耳を持つイヌの姿が描かれている。
ただし、それ以前の歴史は定かではなく、ダックスフンドに似た容貌のイヌの絵画や彫刻、粘土細工などが、中国、ギリシャ、メキシコなど広い地域で確認されている。またドイツ国内でも、スタイルのよく似たイヌの化石が古代ローマ人の住居地跡から発見されている。このほか、古代エジプトの壁画に描かれている胴長、短足のイヌがルーツだという説もある。
体格には2種類あり、体重9㎏クラスをスタンダードと呼ぶ。これを改良した4.8㎏以下のクラスをミニチュア種として区別している。短肢長胴で背が低く、腹部が地面につきそうだが、骨格構成はよく、筋肉質でしっかりしている。被毛は3種類で、スムースヘア(ツヤがあり、手触りがいい短毛)、ロングヘア(柔らかい長毛)、ワイヤーヘアー(バリバリの剛毛)がある。また、他の犬種より鼻が利き、地中や茂みの中でも自由に動き回れる。
アナグマを地面の下まで追い込み、あとは飛び出してくるまで、じっと待つのが仕事だったため、とても辛抱強い性格が形成された
子犬の頃は栄養価の高いものを与え、成犬になったら過食に注意するのがこの犬種の鉄則。もともと食欲旺盛なので、求めるまま与えると必ず肥満になる。ダックスフンドは、体型上、背中が椎間板ヘルニアになりやすく、肥満はその引き金になる。「愛すればこそ厳しく」を忘れずに。
シャンプーは月2回ぐらい。ふだんは湯に浸し、絞ったタオルで体を拭いてあげるとよい。スムースヘアは手が掛からないが、ロングヘアは1日1回のブラッシングを。ワイヤーヘアはとくに生後3~4カ月の手入れが重要で、まめなブラッシングで抜け毛を促せば、立派な硬い毛が生えてくる。
特にハードな運動は必要ないが、毎日の散歩は欠かせない。2頭以上の複数飼いにし、ふだんからじゃれ合って遊ぶようにしておけば、肥満の防止に効果大だ。