クシャクシャの顔にクリクリとよく動く大きな目がとてもかわいいパグ。その起源については、実はいくつかの説がある。
ひとつは、ペキニーズの短毛種の子孫であり、中国とオランダの貿易が盛んに行なわれていた16世紀の終わりごろ、オランダに渡ったイヌがさらにイギリスに紹介され、ダッチドッグ(オランダ犬)と呼ばれ広まったという説。
もうひとつは、スコットランドの低地地方のイヌが原種で、一度アジアに渡ったものを再びオランダ人の貿易商人がヨーロッパに連れ帰ったという説。
このほかにも、ブルドッグの小さな個体を選抜交配してできあがった犬種であるなど、さまざまな説がささやかれている。しかし、起源がいずれであっても、17世紀からヨーロッパの王侯貴族たちの間でアクセサリー犬として大変流行し、ビクトリア朝時代にそれが頂点に達したというのは事実。
日本で知られるようになったのは最近のことだが、世界的には洗練された趣味人のペットとして長年にわたって愛されてきた犬種である。
とにかく顔に個性が集中しているイヌである。しわくちゃの顔、少し出っ張った大きな暗色の目、そしてつぶれた鼻、垂れた耳。それに加えてがっしりとした 肉付きのいい体。どこをとっても個性的なイヌだ。
人なつっこく従順。高いプライドを持っているが、忍耐強く、利口で、とぼけた表情で飼い主を喜ばせてくれる。無駄吠えも少なく忠実。
子イヌのころは1日4食からはじめ、45日を過ぎたら3食。3カ月以降は1食と減らしていく。小さいころに食べ過ぎると、骨格の形成に問題が生じることがあるので、適量を守ること。成犬になったら1日1食。太らないように注意し、基本は少し柔らかくしたドライフードを与えておけばオーケー。頑丈な骨格を作るためにカルシウム剤を与え、日光浴と運動によってそれを吸収させるとよい。また、逆に甘い物や塩分が多く含まれる物は与えてはならない。
短毛種なので、手入れはそれほど難しくない。こまめに拭いてあげ、たまにシャンプーすれば十分だ。血行をよくするために、毎日のブラッシングは忘れずに。
散歩は近くの公園などで1日15分~20分程度で十分。