柴犬の歴史は日本人の歴史と同時に始まったと言われており、その昔、南方から渡ってきて日本列島に住み着いた人たちと一緒に来たと考えられている。
縄文時代の遺跡の中には、現在の柴犬に近いイヌの骨が発掘されており、西日本の山岳部を中心に獣猟犬として飼育されていたようだ。
信濃柴、美濃柴、三河柴、山陰柴という呼び名は当時の名残で、絶滅した“越の犬”や、長野県に生存する川上犬も柴犬の一種と考えられている。
ただし山岳猟獣犬であったため、長い間、特定の人にしか知られず、一般に注目されることはなかった。
実際に脚光を集めるようになったのは大正末期。渡瀬庄三郎博士による日本犬保守運動がきっかけで、昭和12年「柴犬」は天然記念物に指定された。
しかし、第2次世界大戦で各地の柴犬も大打撃を受け、数も大幅に減り、その復興を図るために地域にこだわらない交配が行なわれた。今日の柴犬は、こうして全国的にほぼ均一なスタイルとなった犬種だ。現在では国内だけでなく海外にもファンが増えてきている。
体型は小型なものの、まっすぐな背と幅広い腰をもっており非常に力強い。
前頭部は広く、頬はよく発達している。目は小さめの三角形で、耳もまた小さめの立ち耳。
被毛は上毛は堅く、下毛は柔らかめ。毛色は赤、黒褐色、白、淡赤、灰色などさまざまだ。
とても飼い主に忠実で、逆に言えば飼い主以外には慣れにくい。無駄吠えも少なく、飼いやすい。
ドッグフードはあまり脂肪分が多くないものがよく、満腹よりも腹八分目ぐらいで抑え、肥満にならないようにする。
生まれて3カ月ぐらいは1日3回に分けて与え、4~6カ月は2回、7カ月以降は1~2回与えるようにする。また常に新鮮な水を忘れずに。目安としては、子犬時がドライフード約240g、成犬時が約180g。
ほとんど手間がかからず、ふだんは蒸しタオルで拭いてやり、軽くブラッシングして仕上げる程度で十分。
子犬時はふつうに遊ばせておくだけで十分な運動量を取ることができる。本格的な運動は5~6カ月を過ぎたあたりからで、個体差はあるもののだいたい歩いて1時間、自転車で30分~40分の散歩が目安だ。距離にすれば4kmぐらいが適当だろう。